自動車業界の税務ポイント

令和8年度 税制改正大綱を読む⑬【法人課税4】公平かつ円滑な納税のための環境整備(青色申告が取り消される場合)

シリーズ13回目。

「法人課税」の4つ目。

テーマは…

公平かつ円滑な納税のための環境整備

です。

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今回は、国税のみ。

(1)企業グループ間の取引に係る書類保存の特例の創設

内国法人が関連者との間で特定取引を行った場合において、その取引に関して、取引関連書類等にその取引に関する資産又は役務の提供の明細、その取引においてその内国法人が支払うこととなる対価の額の計算の明細等のその取引に係る対価の額を算定するために必要な事項の記載又は記録がないときは、その記載又は記録がない事項を明らかにする書類(電磁的記録を含む。)を取得し、又は作成し、かつ、これを保存しなければならないこととする。

(注1)
上記の「関連者」は、移転価格税制における関連者と同様の基準により判定する。

(注2)
上記の「特定取引」とは、次の取引(販売費、一般管理費その他の費用の額の基因となるものに限る。)をいう。

① その関連者がその内国法人に対して行う次の資産(以下「工業所有権等」という。)の譲渡又は貸付け(工業所有権等に係る権利の設定等その関連者がその内国法人に工業所有権等を使用させる行為を含む。)

イ 工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式又はこれらに準ずるもの

ロ 著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)

ハ プログラムの著作物

② その関連者がその内国法人に対して行う役務の提供のうち次のもの

イ 次のいずれかの事業活動で、その内国法人とその関連者との契約又は協定に基づきその関連者が行うもの

(イ)その関連者が有する産業、商業又は学術に関する知識経験等その関連者が有する経営資源を活用して行われる研究開発、広告宣伝等の事業活動

(ロ)その関連者が有する専用資産(専らその内国法人及び関連者の事業の用に供することを目的とする資産をいう。)をその内国法人に使用させる行為並びにその専用資産の維持及び管理

ロ その関連者がその内国法人に対して行う経営の管理又は指導、情報の提供等の役務の提供でその関連者が有する産業、商業又は学術に関する知識経験に基づき行うもの

ハ 上記イ及びロの役務の提供に類するもの

(注3)
上記の「取引関連書類等」とは、取引に関して受領し、若しくは交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類又はこれらの書類に通常記載される事項が記録された電磁的記録で、法人税法及び法人税に関する法令の規定により保存しなければならないこととされているものをいう。

(注4)
上記の明らかにする書類の保存が法令の定めに従って行われていないことは、青色申告の承認の取消事由等となる。

(2)投資簿価修正制度における調整勘定対応金額の加算措置について、通算完全支配関係発生日以前に離脱法人の株式の譲渡をした場合の調整勘定対応金額の
調整の対象となる譲渡から、全部取得条項付種類株式に係る取得決議による完全子法人化の際の離脱法人の株式の譲渡を除外する。

(注)
上記の取得決議により交付を受けた上記の離脱法人の株式の価額がその譲渡をした株式の価額とおおむね同額となっていないと認められる場合を除く。

(3)次の場合において、その移行又は転用に係る資産及び負債のその移行時又は転用時における帳簿記載金額を基礎として、その移行後又は転用後の各事業年
度における所得の金額の計算を行うことが明らかとなるよう規定を整備するほか、減価償却資産の償却の方法等について所要の措置を講ずる。

① 公共法人又は公益法人等が普通法人又は協同組合等に移行する場合

② 公共法人が収益事業を行う公益法人等に移行する場合

③ 内国法人である公益法人等又は人格のない社団等のその収益事業以外の事業に属していた資産及び負債がその収益事業に属する資産及び負債に転用された場合

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中小事業者には関連の薄い内容でしたが、

「青色申告の承認の取消事由等となる」

という文言は、あまり見たくない表現ですね…。

ご参考に、青色申告の取り消しについてご紹介しておきます。

法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)

標題のことについて、法人税法(以下「法」という。)第127条第1項(法第146条第1項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、今後処理するものからこれにより取り扱われたい。

(趣旨)
法人の青色申告の承認の取消しは、法第127条第1項各号に掲げる事実及びその程度、記帳状況、改善可能性等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしくない場合について行うこととし、この場合の取扱基準の整備等を図ったものである。

1 帳簿書類を提示しない場合における青色申告の承認の取消し

(取消事由の該当条項)

(1) 法第127条第1項第1号に規定する帳簿書類の備付け、記録又は保存(以下「帳簿書類の備付け等」という。)とは、単に物理的に帳簿書類が存在することのみを意味するにとどまらず、これを税務職員に提示することを含むものである。
したがって、税務調査に当たり帳簿書類の提示を求めたにもかかわらず調査対象者である法人がその提示を拒否した場合には、当該拒否は同号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当することになり、その提示がされなかった事業年度のうち最も古い事業年度以後の事業年度について、その承認を取り消す。
なお、帳簿書類の提示がない場合には、青色申告の承認の取消事由に該当する旨を告げて、帳簿書類を提示して調査に応ずるよう再三再四その説得に努める。
この場合、調査対象者に対する説明等の応答の経過は、詳細に記録しておくことに留意する。

(取消通知書の記載事項)

(2) 青色申告の承認取消通知書に記載する取消事由は、例えば「自令和○年○月○日至令和○年○月○日事業年度分の法人税の調査に関し必要がありましたので、令和○年○月○日、…同月○日及び同年○月○日の○回にわたり、当税務署の調査担当職員が貴法人の本店事務所において貴法人代表取締役○○○○に帳簿書類の提示を求めたところ、その提示がありませんでした。
このことは、青色申告に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が法人税法第126条第1項に定めるところに従って行われていないことになります。
したがって、法人税法第127条第1項第1号に該当しますので青色申告の承認を取り消します。」のように、取消しの基因となった事実を具体的に記載する。

(取消処分後の帳簿書類の提示)

(3) 法人が帳簿書類を提示しなかったことにより青色申告の承認取消処分がなされた後、当該処分に係る不服申立て等の段階で帳簿書類の備付け等がされていることを示すために帳簿書類が提示されたとしても、このことによって、原処分の効力に影響を与えるものではない。

2 税務署長の指示に従わない場合における青色申告の承認の取消し

帳簿書類の備付け等について、法人が法第126条第2項の規定による税務署長の指示に従わない場合には、法第127条第1項第2号の取消事由に該当することとなるが、この場合、当該指示に係る事業年度以後の事業年度について、その承認を取り消す。
なお、指示に従わない場合には、青色申告の承認の取消事由に該当する旨を告げて、当該指示に応ずるようその説得に努め、その上でなお指示に従わない場合にその承認を取り消すものとする。

3 隠蔽又は仮装の場合等における青色申告の承認の取消し

(青色申告の承認を取り消す場合)

(1) 青色申告の承認を受けている法人(以下「青色申告法人」という。)につき、次のいずれかに該当する場合には、(5)の場合を除き、法第127条第1項第3号の規定によりその該当することとなった事業年度以後の事業年度について、その承認を取り消す。

イ 無申告のために所得金額の決定をした場合又は所得金額の更正をした場合において、その事業年度の当該決定又は更正後の所得金額(以下「更正所得金額」という。)のうち隠蔽又は仮装の事実に基づく所得金額(以下「不正所得金額」という。)が、当該更正所得金額の50%に相当する金額を超えるとき(当該不正所得金額が500万円に満たないときを除く。)。

ロ 欠損金額を減額する更正(所得金額があることとなる更正を含む。)をした場合において、その事業年度の当該更正により減少した部分の欠損金額(所得金額があることとなる更正の場合にあっては、当該所得金額を加算した金額)のうち隠蔽又は仮装の事実に基づく金額(以下「不正欠損金額」という。)が、当初の申告に係る欠損金額(所得金額があることとなる更正の場合にあっては、当該所得金額を加算した金額。以下「申告欠損金額」という。)の50%に相当する金額を超えるとき(当該不正欠損金額が500万円に満たないときを除く。)。

ハ 帳簿書類への記載等が不十分である等のため、法第131条(法第147条において準用する場合を含む。)の規定による推計によらなければ適正な所得金額の計算ができないと認められる状況にある場合

(注) 法第127条第1項第1号又は第2号の規定に該当する場合には、この基準にかかわらずその承認の取消しをするのであるから留意する。

(修正申告等があった場合の取消し)

(2) 国税通則法(以下「通則法」という。)第18条又は第19条の規定による期限後申告書又は修正申告書の提出があった場合において、これらの申告書の提出が、調査があったことにより決定又は更正がされるべきことを予知してされたものであるときは、それぞれその期限後申告又は修正申告後の所得金額又は欠損金額につき決定又は更正があったものとして(1)のイ又はロの取扱いを適用する。

(更正所得金額等)

(3) (1)のイ又はロの取扱いを適用する場合において、その事業年度の所得金額の計算上次に掲げる金額があるときは、これらの取扱いにおける更正所得金額又は申告欠損金額は、それぞれ次に定める金額による。

イ 法第57条の規定による青色申告法人に係る繰越欠損金の金額 当該金額の損金算入をしないで計算した金額

ロ 青色申告法人に限り損金算入をすることができる金額(イの繰越欠損金の損金算入額を除く。) 当該金額の損金算入をしたものとして計算した金額

(再更正を行った場合の取消基準の適用)

(4) 再更正を行った事業年度における(1)のイ又はロの取扱いに該当するかどうかの判定については、当該再更正による不正所得金額又は不正欠損金額のみによるのではなく、その事業年度についての不正所得金額又は不正欠損金額の総額を基礎として判定する。

(注) 修正申告書の提出があった場合において、(2)の取扱いが適用されるときも同様とする。

(適正申告の申出等があった場合の取消しの見合せ)

(5) (1)のイ又はロに該当する場合であっても、その事業年度開始の日前7年以内に開始した各事業年度につき次のいずれの要件も満たし、かつ、今後適正な申告をする旨の当該法人からの申出等があるときは、青色申告の承認の取消しを見合わせる。

イ 青色申告の承認取消処分を受けていないこと。

ロ 既往の調査に係る不正所得金額又は不正欠損金額が500万円に満たないこと。

(2期以上同時処理の場合の取消基準)

(6) 2期以上の各事業年度について同時処理をする場合において、(1)から(4)までの取扱いは、その同時処理をした各事業年度ごとに判定するのであるが、(5)のイ及びロの要件を満たすか否かに係る取扱いの適用については、当該同時処理をした事業年度のうち最後の事業年度開始の日前7年以内に開始した各事業年度において当該イ及びロに掲げる要件を満たすか否かにより判定する。

(取消年度前の事業年度の青色申告の取消し)

(7) 青色申告の承認の取消しをした後において、更にその取消しをした事業年度前の事業年度について(1)のイからハまでに掲げる場合に該当することが明らかになったときには、その明らかになった事業年度に遡って当該事業年度以後の事業年度についてその承認を取り消す。

4 無申告又は期限後申告の場合における青色申告の承認の取消し

法第127条第1項第4号の規定による取消しは、2事業年度連続してその提出期限内に法第74条第1項の規定による申告書の提出がない場合に行うものとする。
この場合、当該2事業年度目の事業年度以後の事業年度について、その承認を取り消す。

5 相当の事情がある場合の個別的な取扱い

青色申告の承認の取消しは、青色申告制度の趣旨から真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められる場合に行うものであるから、次に掲げる事情があるものについては、3(1)若しくは(5)又は4にかかわらず、所轄国税局長と協議の上その事案に応じた処理を行うものとする。

(1) 3(1)により青色申告の承認の取消しをすべき事実がある場合(3(5)によりその取消しをしない場合を除く。)又は4に該当する場合においても、役員その他相当の権限を有する地位に就いている者が知り得なかったこともやむを得ないと認められるなどその事実の発生について特別な事情があり、かつ、再発防止のための監査体制を強化する等今後の適正な記帳及び申告が期待できるなど、取消しをしないことが相当と認められるもの

(2) 3(1)若しくは4に該当しない場合又は3(5)に該当する場合においても、二重帳簿を作成する等の方法により計画的に取引の一部を正規の帳簿に記載していない、直前の調査において3(5)の申出等を行った後も引き続き取引の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装して帳簿書類を作成している、3(1)又は(5)の取消しに係る形式基準を回避するために当該基準を僅かに下回る過少申告を毎事業年度継続して行っている等、当該法人の帳簿書類の記録の状況、申告書の提出状況等からみて法第127条第1項第3号又は第4号の規定により取消しをすることが相当と認められるもの

6 電子帳簿保存法の要件に従っていない場合における青色申告の承認の取消し

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律の要件に従っていない場合における青色申告の承認の取消しに当たっては、電磁的記録又は電子計算機出力マイクロフィルムの備付け又は保存の程度(電磁的記録に代わる書面等による備付け又は保存の有無とその程度を含む。)、今後の改善可能性等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしいと認められるかどうかを検討し、法第127条第1項の規定の適用を判断する。

7 通算法人等に係る取扱いの適用

1から6までの取扱いは、通算法人に係る法第127条第3項又は通算法人であった内国法人に係る同条第4項の規定により読み替えて適用する場合の同条第1項の規定の適用に当たっても、同様とする。
この場合において、その取消しの効力又は遡って取り消す事業年度は、同条第3項又は第4項の規定により読み替えられた同条第1項に規定するところによるほか、次に掲げる取扱いの適用に当たっては、それぞれ次に定めるところによる。

(1)  2の取扱い
この取扱い中の「第126条第2項の規定による税務署長の指示」には、同条第3項の規定による国税庁長官又は国税局長の指示を含む。

(2)  3(3)の取扱い
この取扱い中の「次に掲げる金額」及び「次に定める金額」は、それぞれ次に掲げる金額及び次に定める金額による。

イ 法第57条第1項、第64条の5第1項及び第3項、第64条の7第6項並びに第64条の8の規定による損金算入額又は益金算入額 これらの損金算入額又は益金算入額の損金算入又は益金算入をしないで計算した金額

ロ 青色申告法人に限り損金算入をすることができる金額(イに定める損金算入額を除く。) 当該金額の損金算入をしたものとして計算した金額

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