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令和8年度 税制改正大綱を読む④【個人所得課税3】金融・証券税制(NISA改革、暗号資産の分離課税化)

シリーズ4回目。

個人所得課税の改正「金融・証券税制」についてです。

この「金融」や「証券」に関する税制改正大綱は、本当に読み辛いです。

流し読みでも問題ないので、

✅ NISAつみたて投資枠の年齢制限の見直し

✅ 暗号資産の分離課税化

✅ 同族会社社債利息の「第三者法人介在型」「たすき掛け型」スキームの是正

という柱を意識して読み進めると良いと思います。

なお、これらの税制は国税と地方税がセットなので、税制改正大綱も「(国税・地方税)」という括りで書かれています。

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〔拡充等〕

(1)非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)について、次の措置を講ずる。

① 非課税口座の口座開設可能年齢の下限を撤廃する。

② 特定非課税累積投資契約に係る非課税措置について、次の措置を講ずる。

イ 上記①の改正にあわせ、非課税口座に未成年者特定累積投資勘定を設けられることとするとともに、特定非課税管理勘定は未成年者特定累積投資勘定とは同時に設けられないこととする。

(注)
上記の「未成年者特定累積投資勘定」とは、特定累積投資勘定のうち、令和9年以後の各年(居住者等が、その年1月1日において18歳未満である年及び出生した日の属する年に限る。)に設けられるものをいう。

ロ 未成年者特定累積投資勘定には、特定累積投資勘定に受け入れることができる公募等株式投資信託(株式投資信託で、その受益権が金融商品取引所に上場等がされているもの又はその設定に係る受益権の募集が一定の公
募により行われたものをいう。以下同じ。)の受益権のうち次に掲げるもののみを受け入れることとする。

(イ)その居住者等の非課税口座に未成年者特定累積投資勘定が設けられた日から同日の属する年の12月31日までの間に当該非課税口座が開設された金融商品取引業者等への買付けの委託等により取得した公募等株式
投資信託の受益権で、当該期間内の取得対価の額の合計額が60万円を超えないもの(公募等株式投資信託の受益権を当該未成年者特定累積投資勘定に受け入れた場合に、当該合計額及び未成年者特定累積投資勘定に前年末に受け入れている株式投資信託の受益権の購入の代価の額等の合計額が600万円を超えることとなるときにおける当該公募等株式投資信託の受益権を除く。)

(ロ)その未成年者特定累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の受益権の分割等により取得する公募等株式投資信託の受益権

(注)
未成年者特定累積投資勘定については、その設けられるべき金融商品取引業者等の営業所に開設している非課税口座以外の非課税口座に設けることはできないこととする。

ハ 未成年者特定累積投資勘定で管理される公募等株式投資信託につき支払を受ける配当等及び当該公募等株式投資信託の受益権の譲渡の対価等については、非課税口座を開設した居住者等がその年3月31日において18歳である年(以下「基準年」という。)の前年12月31日までは、特定課税未成年者口座において管理しなければならないこととする。

(注)
上記の「特定課税未成年者口座」とは、当該居住者等が非課税口座を開設している金融商品取引業者等の営業所(当該金融商品取引業者等の関連会社の営業所を含む。)に開設した預貯金口座又は預り金の管理口座をいう。

ニ 未成年者特定累積投資勘定で管理される公募等株式投資信託の受益権は、非課税口座を開設した居住者等の基準年の前年12月31日までは、当該公募等株式投資信託の受益権を当該非課税口座以外の口座に払い出すことはできないこととする。
ただし、次に掲げる年の区分に応じそれぞれ次に定める場合は、この限りでない。

(イ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年の前年以前の各年

当該居住者等が、その居住する家屋が災害により全壊したことその他これに類する事由(当該事由が生じたことにつき税務署長の確認を受けた場合に限る。)に基因して当該未成年者特定累積投資勘定に係る公募等株式投資信託の受益権及び特定課税未成年者口座内の金銭等の全てを払い出す場合

(ロ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年以後の各年

上記(イ)に定める場合及び当該居住者等が、当該非課税口座が開設された金融商品取引業者等に払出しの基因となる事由(当該居住者等に係る学校等の入学金又は授業料その他の当該居住者等の教育費又は生活費の支払に限る。以下「特定事由」という。)その他の事項を記載した書類を提出して当該公募等株式投資信託の受益権を払い出す場合

(注)
上記の書類提出手続は当該居住者等の親権者等が行うとともに、上記の書類には特定事由に基因して払い出すことについて当該居住者等の同意を得たことを証する書類を添付しなければならない(下記ホ(ロ)の書類提出手続についても同様とする。)。

ホ 特定課税未成年者口座内の金銭等は、当該特定課税未成年者口座を開設した居住者等の基準年の前年12月31日までは、その金銭等を非課税口座における投資に用いる場合を除き、当該特定課税未成年者口座から払い出すことはできないこととする。
ただし、次に掲げる年の区分に応じそれぞれ次に定める場合は、この限りでない。

(イ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年の前年以前の各年

上記ニ(イ)に定める場合

(ロ)当該居住者等がその年3月31日において12歳である年以後の各年

上記(イ)に定める場合及び当該居住者等が、当該特定課税未成年者口座が開設された金融商品取引業者等に特定事由その他の事項を記載した書類を提出して当該金銭等を払い出す場合

ヘ 非課税口座及び特定課税未成年者口座を開設した居住者等が基準年の前年12月31日までに、これらの口座の公募等株式投資信託の受益権及び金銭等をこれらの口座から上記ニ及びホの取扱いに反する払出しをした場合等には、当該払出しがあった日において公募等株式投資信託の受益権の譲渡又は公募等株式投資信託の配当等の支払があったものとして、次の金額に対して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により源泉徴収(特別徴収)を行うこととする。

(イ)次に掲げる金額の合計額から、当該非課税口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に当該非課税口座において取得した公募等株式投資信託の受益権の取得対価の額等の合計額を控除した金額

a 当該非課税口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に、当該非課税口座において行われた公募等株式投資信託の受益権の譲渡に係る譲渡対価の額の合計額

b 当該払出しがあった日において当該非課税口座において有する公募等株式投資信託の受益権の価額(時価)の合計額

(ロ)当該非課税口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に当該非課税口座において支払を受けた公募等株式投資信託の配当等の額の合計額

(注)
上記(イ)の譲渡所得等の金額の計算上損失が生じた場合には、その生じた損失の金額はなかったものとみなす。
また、上記(ロ)の配当所得の金額から控除することもできない。

ト 上記ヘにより源泉徴収された公募等株式投資信託の受益権に係る譲渡所得等の金額は、確定申告不要制度を適用できることとする。

チ 上記ヘによる源泉徴収を行う金融商品取引業者等は、当該源泉徴収に係る税額その他の事項について記載した報告書を作成し、これを上記ヘの払出しがあった日の属する月の翌月末日までに、当該居住者等に交付しなければならないこととする。

③ 特定累積投資勘定に受け入れることができる公募株式投資信託の受益権及び上場株式投資信託の受益権について、次の措置を講ずる。

イ 指定インデックス投資信託及び上場株式投資信託に係る指定指数について、次の措置を講ずる。

(イ)指定指数の範囲に、次に掲げる指数を加える。

a 読売株価指数

b JPXプライム150 指数

(ロ)指定インデックス投資信託の対象となる株式に係る指定指数のうち、投資信託約款において2以上の指定指数に採用されている資産に投資を行う旨等の定めがあることとの要件が適用されるものについて、投資信託約款において1の指定指数に採用されている資産に投資を行う旨等の定めがあることとの要件が適用される指定指数とするとともに、上場株式投資信託の対象となる指定指数に加える。

ロ 指定インデックス投資信託以外の公募株式投資信託の主たる投資の対象資産に係る要件について、対象資産を株式又は公社債(現行:株式)とする。

ハ 公募株式投資信託の受益権及び上場株式投資信託の受益権の譲渡等の手数料に係る要件について、対象となる手数料の範囲から、これらの投資信託の受益者が金融商品取引業者等と締結したこれらの投資信託の受益権の定期的かつ継続的な方法による譲渡等に関する契約に基づき当該受益者が当該金融商品取引業者等に対して支払う当該譲渡等の手数料で、通常必要と認められるものを除外する。

④ 非課税累積投資契約に係る非課税措置及び特定非課税累積投資契約に係る非課税措置について、金融商品取引業者等が行う基準経過日における非課税口座を開設している居住者等の住所等の確認に係る措置を廃止する。

(注)
上記の廃止に伴い、金融商品取引業者等において、非課税口座を開設している居住者等の住所等の変更の有無等を確認し、その変更の可能性がある居住者等から一定期間内に非課税口座異動届出書の提出等がなかった場合には当該口座に係る特定累積投資勘定等に上場株式等を受け入れないこととする等の運用上の対応を行うほか、当該特定累積投資勘定等に上場株式等を受け入れないこととした場合には、その年の当該口座に係る非課税口座年間取引報告書にその旨を記載することとする。

⑤ その他所要の措置を講ずる。

(2)金融商品取引法等の改正を前提に、次の措置を講ずる。

① 居住者等が、暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限る。以下「特定暗号資産」という。)の譲渡等をした場合には、その譲渡等による譲渡所得等については、他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により課税する。

② 暗号資産取引業を行う者は、その年中に特定暗号資産の取引を行った居住者等の氏名、住所及び個人番号、その取引に係る特定暗号資産の名称その他の事項を記載した報告書を、その取引があった日の翌年1月31日までに、税務署長に提出しなければならないこととする。

③ 特定暗号資産を暗号資産取引業を行う者に対して譲渡等をしたことにより生じた損失の金額のうちに、その譲渡等をした日の属する年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額があるときは、一定の要件の下で、その控除しきれない金額についてその年の翌年以後3年内の各年分の特定暗号資産に係る譲渡所得等の金額からの繰越控除を可能とする。

④ 先物取引に係る雑所得等の課税の特例及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除の適用対象に、暗号資産デリバティブ取引(特定暗号資産に係るものに限る。以下「特定暗号資産デリバティブ取引」という。)に係る雑所得等を加える。

⑤ 投資信託及び投資法人に関する法律施行令の改正を前提に、次の措置を講ずる。

イ 上場証券投資信託等の償還金等に係る課税の特例の適用対象に、一定の投資信託を加える。

ロ 一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例等の対象となる株式等の範囲に、特定暗号資産を投資の対象とする投資信託の受益権を加える。

⑥ 総合課税の譲渡所得の基因となる暗号資産について、次の措置を講ずる。

イ 当該暗号資産の譲渡益について、譲渡所得の特別控除額を控除しないこととする。

ロ 当該暗号資産については、5年を超えて保有した資産に係る譲渡所得の金額の計算上2分の1とする措置を適用しないこととする。

ハ 当該暗号資産に係る譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、他の総合課税の対象となる所得との損益通算を適用しないこととする。

⑦ その他所要の措置を講ずる。

(注1)
上記①及び③の改正は、金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日(以下「適用開始日」という。)以後に行う特定暗号資産の譲渡等について適用する。

(注2)
上記②の改正は、適用開始日の属する年の翌年の1月1日以後に行う特定暗号資産の取引について適用する。

(注3)
上記④の改正は、適用開始日以後に行う特定暗号資産デリバティブ取引に係る差金等決済について適用する。

(注4)
上記⑥の改正は、金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年分以後の所得税について適用する。

(3)同族会社の役員等が、その同族会社以外の法人(以下「特定法人」という。)が発行した社債の利子で、実質的にその同族会社から支払を受けるものと認められる場合における当該利子を、総合課税の対象とする。
また、その同族会社の役員等が支払を受ける当該特定法人が発行した社債の償還金についても、総合課税の対象とする。

(注1)
上記の「実質的にその同族会社から支払を受けるものと認められる場合」とは、特定法人が発行した社債に係る債務についての同族会社による保証の契約その他の契約の内容その他の状況からみて、同族会社の役員等が特定法人が発行した社債に係る債務の不履行により実質的に損失を受けないと認められる場合をいう。

(注2)
上記の改正は、令和8年4月1日以後に支払を受けるべき社債の利子及び償還金について適用する。

(4)勤労者財産形成住宅貯蓄非課税制度について、その利子所得等が非課税とされる適格払出しの範囲に、床面積が40㎡以上50 ㎡未満の住宅の取得又は住宅の増改築等に係る費用の支払のための払出しを加える。

(5)特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等について、特定口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に、持株会契約等に基づき取得した上場株式等で、当該持株会契約等に基づき持株会等口座が開設されている金融商品取引業者等との間に支配関係がある他の金融商品取引業者等の営業所に開設されている特定口座に受け入れられるものを加える。

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最後にちょろっと、既存税制(国税)の延長。

〔延長〕

(6)年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の適用期限を1年延長するとともに、漁業協同組合等が取り扱う組込型共済契約に係る共済掛金が介護医療保険料控除の対象であることを明確化する。

(7)特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例(エンジェル税制)について、次の措置を講ずる。

① 適用対象となる国家戦略特別区域法に規定する特定事業を行う株式会社により発行される株式の発行期限を3年延長する。

② 適用対象となる地域再生法に規定する特定地域再生事業を行う株式会社により発行される株式の発行期限を3年延長する。

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とまぁ、こんな感じです。

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